徒然草紙~神社とか小説とか~

神社仏閣巡り・小説・歴史考察・石談義など、ごった煮ブログです。ちょっとトンデル時もあります(笑)。

Category [小説 ] 記事一覧

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花びら降る降る(2)

 桜の盛りの日、わたくしは小松家の別荘で資盛さまと枕を交わした。以来わたくしは資盛さまのお通いをお待ちする身になった。 資盛さまは変わらず、母・夕霧から真摯に箏の教授を受けていらっしゃる。 が、それは建前で、この方の目的がわたくしにあることは、すでに家の者に知られてしまっている。 殿方の逞しい腕に抱かれながらも、わたくしの憂いは晴れない。心細くてたまらない。 どんなにご寵愛をいただいても、資盛さま...

花びら降る降る(1)

 ――平家にとって生きにくい世になりました、わたしも時を置かず亡き人の内に入るでしょう。 幾年も親しんだ仲ですから、わたしが死んだのちは、あなたが後世を弔ってください。 都を落ちられる前に固く仰られた平資盛さまのお言葉。 あの方が儚くなられて何年も経つが、北の方でなかったわたくしは、人の目もあったため、あの方のおあとを追って死ぬこともできず、また出家することもできない。 ただ、資盛さまの悲願どおり、...

「満開・死へのカウントダウン」――桜と喪失の10題より

 寿永四年(1185年)、春。 我ら平氏が本陣を置く屋島が、源九郎義経の奇襲・火攻めにあった。 辛うじて逃げ延びた平家一門は、わたしの知行国である長門国彦島にほうほうの体で到着した。 彦島の福浦に帝の仮御所を設け、我らは一時の休息に入った。「知盛殿、帝の御所によい場所を見つけてくれましたね」 母御前・二位尼時子はわたしに手招きすると、咲き誇っている桜の大木を指し示した。「女院や女房殿の無聊をお慰め...

愛別離苦~平資盛と建礼門院右京大夫~

 寿永三年(1184年)夏。 一の谷で源氏との戦いに敗れた我等平氏は、讃岐国屋島に逃れてきた。 兄・維盛と弟・清経が入水して果て、帝を頂き西国に都落ちしている平家に同行している小松一門は、わたしと有盛だけである。 屋島に帝の仮御所を築き、我等平氏は一時の休息を得た。「資盛さま、いつものお方から御文です」 わたしの乳兄弟である麻鳥が、見るともなく百日紅を見ているわたしにうやうやしく料紙を差し出す。 ...

散桜色(24)

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