徒然草紙~神社とか小説とか~

神社仏閣巡り・小説・歴史考察・石談義など、ごった煮ブログです。ちょっとトンデル時もあります(笑)。

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三百年後の三国志

三百年後の三国志 第1部 (1)三百年後の三国志 第1部 (1)
(2008/02/13)
佐野 量幸

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 なんていうか、あまり小説にされない時代のお話なので、嬉しいといえば嬉しいんですが……(汗)。

 人物名の漢字間違いが多すぎます。
 で、作者は気付いていないのかそれで覚えてしまっているのか、作品の最後まで間違えたままです。


×宝泰(ほうたい)→〇竇泰(とうたい)
×破六汗(はろくかん)→〇破六韓抜陵(はろくかんばつりょう)
×吐洛周(とらくしゅう)→〇杜洛周
×莫多貸文(ばくたたいもん)→○莫多婁貸文(ばくたるたいもん)
×李微白(りびはく)→○李徽白(りきはく)
×劉升弁(りゅうしょうべん)→〇劉蠡弁(りゅうれいべん)


 あと、皆いみなで書かれているのに、何で段韶(字は孝先)だけ字で表記してあるのかと疑問に思いました。

 それに歴史の読み方(というか史料の読み方)がいいかげんです。

 史実の劉蠡弁は柔然の王ではなく山胡の自称皇帝なのに、この作品では劉升弁が柔然の王であり、河陰の戦のあと宇文泰と手を結んで高歓と戦い、彼が高歓に敗れてから稽胡族が出てきて、これも敗退することになり突厥が出てきたとなっています。
 が、高歓が劉蠡弁を討伐したのは、東魏孝静帝が即位した年から翌年までの間です。確かに、河陰の戦いのあとにも高歓は山胡の残党を狩っていますが、西魏を巻き込む大きな戦いではなく、まつろわぬ者を討伐しているまでです。
(はせがわとしては、この時に高澄パパが高歓ジジのお妾さんである鄭大車サンに手ェ出して、周りを巻き込んですったもんだするエピソードがあるから、アホな見せ場になるだろうと思ったんだけど。爆)

 そして、高歓在世中にまだ柔然はあります。

 ちなみに柔然の王は郁久閭阿那壞で、彼の娘は西魏文帝と高歓に嫁いでいます。
 あと、柔然の女性(王族かどうかは不明)が宇文泰の妾となり、斉王憲を生んでいます。

 これは一部の例で、

高歓と宇文泰がやたらめったら一騎打ちしていたり、
高歓と婁昭君の出会いも改悪してあったり、
爾朱栄のもとに辿り着いたときぼろぼろだった高歓が、楽勝で爾朱栄のもとに逃げてきたり、
死せる高歓が生ける侯景を南朝に走らせた(本当は、生ける高澄が生ける侯景を走らせ、侯景の家族を皮剥ぎ油揚げした挙げ句、南朝と講和して侯景を孤立させた)


 とか、突っ込みどころが多すぎます。
 なんで史書の面白い場面を使わないんだろうと(汗)。

 戦いの場面も平坦で、読んでいて飽きます。台詞も陳腐。

 作者は神の目線(多人称)で書いているのかもしれませんが、人物造形が未熟で平板だから感情移入できず、その上やたら多数の人物に主人公ばりの主張をさせるので、印象が散漫になり読みにくいです。

 戦いだけでなく、色々入れられるエピソードがあったのになぁ、と残念に思いました。
 個人的には、東魏西魏ともに内政面を描いてほしかったです(だったらさぁ、高澄パパも出てくるのに)
 本当に巧い歴史小説は、史実の旨味を生かしつつ、作者の独創性を駆使した、読者を退屈させない小説だと思います。


 ストーリーが穴だらけな上に、エロスや人情、情趣もからっきしないので、エンターテイメントとしても失敗していますが、もし読まれるなら「歴史に基づいたファンタジー」として一読されるのをお薦めします。
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