徒然草紙~神社とか小説とか~

神社仏閣巡り・小説・歴史考察・石談義など、ごった煮ブログです。ちょっとトンデル時もあります(笑)。

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流浪する女神……雛祭りに寄せて……






今日は雛祭りですね。


女の子の無病息災を祈るために、雛人形を飾りばら寿司やあられ、はまぐりのお吸い物を食したりと、宴という様相が強いような。


神社では、流し雛が行われます。罪穢れを人形に移し、川に流して一年の無事を祈ります。六月と十二月の末日に行われる大祓とある意味同義です(大祓は女性に限らず男性も受け付けられていますが)。


実際のところ、雛祭りと大祓は大きな関係があるようです。


雛祭りのいわれは色々ありますが、そのひとつに「淡島願人伝説」があります。


「天照大神の六女・婆利塞女は十六の年に住吉大神の后となりますが、下の病を煩い、人形や楽器とともにうつろ船に乗せ海に流した。後に女神が辿り着いたのが紀の国の友が島であり、女神は淡島明神となった」


というのが概説です。


この伝説は加太淡島神社の御師のような活動をしていた遊行者が全国に説いて回ったものです。


加太淡島神社の祭神は少彦名神で、男神です。が、このような伝説があるのが面白いですね。


婆利塞女という名は、牛頭天王(須佐之男神)が通った婆利釆女と通じています。


そして大祓は、心身に付いた罪穢を祓戸大神に頼んで川に流してもらう、というものです。こちらでも、紙の人形に身の罪穢れを被せて川に流します。


「遺る罪はあらじと祓え給い清め給うことを、高山の末短山の末より、さくなだりに落ち瑞つ速川の瀬に坐す瀬織津比売という神、大海原に持ち出でなむ」


この祝詞にある瀬織津姫は滝神・川の女神で、罪という罪をすべて飲み込んで、大海原に放ってしまうという役割を持っています。


古史古伝「ほつまつたえ」で、瀬織津姫は天照大神(この書物では、天照大神は男神)の后神で、現在では伊勢神宮内宮の別宮・荒祭宮(祭神・天照大神荒魂神)に祀られています。


また、兵庫県西宮にある廣田神社の御祭神でもあります。


住吉大社側の書物「住吉大社神代記」に、住吉神と廣田神はとても深い交わりがあった、とあります。


淡島の女神と瀬織津姫は、似通っています。


対馬の天道信仰に現われる、日神の子を宿した女神「内院女御」も、うつろ船に乗せられ海原に流されています。


天道信仰とは、幼い少女(内院女御)が日光によって孕み、それを怪しんだ親が彼女をうつろ船に乗せ海に流し、月満ちて少女は霊力を持つ天童法師を生んだ 、というものです。


神功皇后伝説の謎解きの手がかりになるかもしれない、「大隅正八幡宮(鹿児島神宮)」の「大比留女」は、天照大神(女神)の一名「大日霊女」に通じます。宇佐神宮の御許山に降り立った女神「撞賢木厳之御魂天疎向津姫(古事記に現われる天照大神荒魂神の名。ひいては瀬織津姫)」の別名は「大日霊女」です。彼女が比売大神だと、宇佐神宮の伝承にあります。


震旦国(中国)の陳国王の娘・大比留女は幼女の身ながら日光に感精して身籠り、訝った父は彼女をうつろ船に乗せ流します。大隅国に辿り着いた大比留女は八幡神を生みます。


宇佐神宮を祭祀した辛嶋氏は須佐之男神の子孫で、豊の国に入ってきたとき、まず香春岳に新羅の神を祀っています。名を「辛国息長大姫大目命」といいます。息長大姫というと、神功皇后(息長足姫)を思い起こせます。


神功皇后の祖は天日槍命で、彼は日光感精により生まれた赤い玉の姫「赤留比売」を妻とし、彼女に逃げられ日本に渡ってきます。


赤留比売は豊国姫嶋に寄り付きますが、「夫がまだ追いかけてくるかもしれない!」と摂津国に逃れてきます。案の定、天日槍は妻を追いかけてきますが、住吉神の妨害にあい、出石に落ち着きます。


赤留比売=比売語曽神は宇佐の比売大神だという説もあります。また、大阪鶴橋にある「比売語曽神社」の祭神は「下照姫」です。


「下照姫」と「高照姫(高光日女)」は同一神といい、「天道日女」に辿り着きます。天道日女の一名は「屋乎止女(八乙女)」で、比沼の真名井の天女=豊受大神と重なります(現在、外宮の祭式では、豊受大神=男神(国常立神)っぽいですが。千木が男造だったし)。


「先代旧事本紀」に基づく対馬県主祖・天日神命(対馬・阿麻氏留神社祭神)は、饒速日命の天上での妃である天道日女の父にあたりますが、彼の別名は天照御魂神です。この名称は、天火明神(饒速日)によく使われています。


天道信仰がある対馬の女神・天道日女……彼女は天日神命の娘ではなく、妻ではなかったか? という疑問が出てきます。


ひいては、天道日女(高照姫・下照姫・比売語曽神)=大日霊女(大比留女・瀬織津姫)=天照大神(女神)ではないか? という見方もできます。


だとすると、彼女は本来の日神に変わって太陽神として立っているかもしれません。その後には、本来の日の男神も居るかもしれません。





他にも、赤留比売=丹生都比売という説もあります。


籠神社では、国常立神=天御中主神=宇迦之御魂神=豊受大神ですが、真名井神社の磐座の由緒に、国常立神=住吉大神とありました。


住吉大神を祀ったのは尾張系氏族・津守氏で、住吉神=饒速日という話があります。


須佐之男神(牛頭天王)は疱瘡の神で、「荒ぶ男・流浪う男」と神話上のイメージではあまりよくありませんが、本来日神が持つ特徴を備えています(播磨国風土記や出雲国風土記にある彦火明神や阿遅鋤高彦根神の特徴とそっくりです)。稚日女神(丹生都比売と同神説あり)に乱暴した、という話は太陽の対である水の女神のイニシエーションと解することもできます。


奈良時代、持統朝の宗教改革で「天照大神(男神)」→「天照大神(女神)」と変えられますが、それによって本来居た后神は抹消せざるをえなくなったようです。


雛祭りは居るべき場所を逐われ流浪する女神……太陽の対神を思う縁かもしれません。




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*Comment

 

シタテルヒメの存在が最近注目されていますね。おっしゃるように、シタテルヒメ=アマテラスとか、宇佐の比売大神=シタテルヒメとか。わたしのblogで今度「出雲と九州」というのを書きますので読んでみて下さい。
  • posted by shigechanizumo 
  • URL 
  • 2006.10/11 09:38分 
  • [Edit]

 

下照比売は、女神アマテラスの謎解きの手がかりのひとつだと思っています。
下照比売の別名であるカヤナルミ(別名・飛鳥神南備三日女・高照姫)を祀っている飛鳥坐神社は、元伊勢だそうです。
宇佐神宮の比売大神は、一説には宇佐の近くにある姫嶋らしく、また一説には撞賢木厳之御魂天疎向津媛命(天照大神荒御魂命。別名・瀬織津姫)が比売大神ともあります(「古伝が語る古代史」より)。
瀬織津姫は東北の倭文神社に祀られており、伯耆国一宮・倭文神社のご祭神は下照比売です。
そこからも、何か関係あるだろうな……と思ったり。
出雲と伊勢が微妙にダブってきますが、伊勢を初めに治めていたのは、出雲建子の異名を持つ伊勢津彦なので、ありえると思います。
  • posted by 長谷川彰子 
  • URL 
  • 2006.10/11 13:36分 
  • [Edit]

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