徒然草紙~神社とか小説とか~

神社仏閣巡り・小説・歴史考察・石談義など、ごった煮ブログです。ちょっとトンデル時もあります(笑)。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「秘蔵宝綸」の序詩と、アスペルガー雑記

 悠々たり、悠々たり、太(はなは)だ悠々たり
 内外の絹紺、千万の軸あり
 沓々たり、沓々たり、甚だ沓々たり
 道を伝(い)い、道を伝うに百種の道あり
 書死(た)え諷死(な)くば、本(もと)何(いずれ)にか為せん
 知らず知らず、吾も知らず
 思い、思い、思い、思うも、聖(ひじり)も心(し)る無し
 牛頭草を嘗めて、病者を悲しみ
 断蓄し車を機(あやつ)りて、迷方を哀れむ
 三界の狂人は狂せるを知らず
 四生の盲者は盲なるを識(さと)らず
 生まれ、生まれ、生まれ、生まれて、生の始めに暗く
 死に、死に、死に、死んで、死の終わりに冥らし




 「空海コレクション1・2」とともに、昨日アスペルガーを知るための本「俺ルール!―自閉は急に止まれない」と「自閉っ子、こういう風にできてます!」が届きました。


 読んでみて、自分の特徴と被らない(つまり、わたしはまだ健常者に近い)ところと、特徴・例えを変えたらそっくり自分に当て嵌まっていたところがありました。


 アスペな人からしたら、自分はちょっと変(もしくは、変という自覚もない)という認識があります。
 だから、なんだかよく解らないけれど人の顰蹙を買っていたり、あれ、自分失敗しちゃったかな? という感覚に陥ることがあります。


 人に教えられて、定型発達の人と自分の違いを知り、ぎょっとしたり。
 わたしはそういうところ、少ないです。が、微細に違うところがあって、「へぇ、そうなん?」というところはありましたが。



 わたしが小さな頃は「自閉症」といったら「カナータイプ(低機能自閉症)」だけがそうだという認識で、親も知識がなく、どんなに手をこすり合わせながらせわしなく走っていても、それが異常行動だとは気付きませんでした。
 だから、普通の保育園に入って、いじめられて。だから余計に自分のなかに引きこもって。
 そういう状態で学校教育が始まったから、大変でしたよ。大人しくて無表情、自己表現が少ない、媚びたりもしない子だったから、先生からもクラスの子からも虐められるし。
 わたしが「自我らしきもの」に目覚めたのは小学校高学年で、ただそこに居るだけ、中身がないという状態だったかもしれません。どうも、受身タイプのアスペさんみたいです。


 そんなんだから、空気なんて読めていないし。自分のことも解っちゃいない。手をひらひらさせて走って、空想して、それだけしかなかったような気がします。
 他に気持ちが行っていないから、忘れ物をする、宿題が出来ない。で先生に怒られてばかりで。
 親は「学校に行くのが当たり前」という考えだったから、わたしが鼻炎や喘息をストレスから出していても、学校に行けと強要し、休むのを許してくれてもぎりぎりまで怒っていました。
 小学校高学年になってから、絵を描いて空想を形にしてぶつける、という方法を覚え、手をひらひらさせる問題行動が治まりました。
 それからも、虐めは収まりませんでしたが。先生からは「虐められる側にも原因がある」とか言われるし。



 というわけで、自身もなにもない子が大人になって社会に出ても、社会の風当たりにポキンと自分を折られるだけです。
 頭の中は、社会に出て仕事するって、どうしたらいいの? 解らない! ばかりで……。
 自分にとっては今も、社会は何があるのか解らない、怖いところという認識があります。ただ単に、人間不信というのもあるかもしれませんが(汗)。
 世の中は一本の理だけが単純にあるわけではなく、酸いも甘いも、白いも黒いも複合に、マーブル状に混じっているじゃないですか。


 本当に、生きるのって、難しいです。



 現在学生しているアスペさんは、社会的な事件などありましたが、「低機能」だけでない「高機能」の自閉症もある、という認識がぼちぼちと広まりだし、まだ至らないけれど、ちょっとは生きやすくなったかな? 社会のサポートも受けられ始めているのかな? と思います。
 母の知人のお子さんがアスペで、その子の周りがアスペの良き特徴を伸ばすよう教育し、社会の軋轢に潰されないよう護ってくれています。


 そう思うと、社会の軋轢に、かなりぺしゃんこになってしまったわたしは自分の過去を思い悔しいですが、先に行く者がいるから、あとに行く者は楽になるんだろうな……と思っています。そう思ったら、何となく自分も救われるというか。


 いえ、これから先の自分の未来はお先真っ暗だ! とは思ってませんよ。すぐには無理だけれど、ゆっくりゆっくりこころの傷を癒し、手をひらひらの代わりになること→小説の執筆を続けていきます(逆にこの手段を絶たれると、自分バランスを崩すな。汗)。



 えと、昨日「秘蔵宝綸」の序詩を読んでいて、上記のようなことを色々思ったんです。
 空海さんはこの詩に、教える者がなければ、人は赤ん坊のように原始的欲求に捕らわれるんだ、と仮託しました。
 狂人は人に教えられなければ自分が狂っているとは知らず、盲いている者は、目の前に自分の眼裏にあるものが実際にないのに、人に教えてもらわなければ本当にあると思い込んでいる。
 先人の教えでも、幾人も居れば幾人分の教えがある。
 それらに触れなければ、どうして真理を知りえようか、それはわたしもそうである、と空海さんは詩に語っています。



 普通のひとのようでそうでないアスペさんを理解し、どうかサポートしてあげてください。
 そうでないと、アスペさん、いいえ、他の障害を持っている人も苦しいままなんです。


 逆に、アスペさんは世間で言われているようなイメージの人ではなく、ちょっと違和感あるけれど、至って普通の人です。



 最後に、やはり空海さんってただもんじゃないですね。
 この序詩を初めて見たとき、ぞくっとしました。


 「悠々たり悠々たり……」
 「杳々たり杳々たり……」
 「知らじ知らじ……」
 「思い思い……」
 「生まれ生まれ……」
 「死に死に……」



 この繰り返しに引き込まれます。


 「生まれ、生まれ、生まれ、生まれて、生の始めに暗く
 死に、死に、死に、死んで、死の終わりに冥らし」



 先人の教えなくば、迷える者は永劫に苦界を輪廻する、というように本にありましたが、わたしはそれだけかな? と読んでいて思いました。
 人は不可視の闇のなかから生まれ、死んで不可視の闇のなかに戻る。――人は死んだら浄土に行く、天国に行く、または地獄に行くといわれています。が、本当は誰もそんなこと解らない。もしかすると輪廻し、違う時代に生まれなおすかもしれない。誰にだって、自分がどうやって生まれてどうやって死ぬかなんて解りませんよね。
 これは、単純に読めば人の無常なる運命を詠んだのだと思います。
 もしくは、宇宙という真なる闇(もしくは白、あるいは多色、または無色)のなかから生まれ、宇宙に回帰し、また生を受けるという、宇宙の――大日如来の摂理というものかもしれません。
スポンサーサイト

*Comment

 

長谷川さん、この文章には、続きとして「大覚の慈父は見捨てはしない」というフレーズがあるはずです。ここを多くの人は見逃していますよ。
それでは、よろしくお願い申しあげます。
  • posted by 翌檜 
  • URL 
  • 1970.01/01 09:00分 
  • [Edit]

 

え~と、「大覚の慈父」のフレーズは、序詩ではなく序文といった部分に入っているように見えました(汗)。

だから、詩と序文は切り離されているのではないかな、と。

序詩の広義の意味としては、

先人の数ある教えに触れない者は、未来永劫の迷いのなかに生きる、自分だって、それらに触れなければ迷いの中にあった。

というものですね。
で、十従心体系のそれぞれの教えに触れつつ吟味し、優越を決していくというものです。
ある意味、「三教指帰」の発展版みたいな。

「大覚の慈父は迷い喘ぐものを見て、どうして黙っておれようか。だから、色々な教えを与えて様々な迷いを指摘する」

と、ある意味、三角形の頂点は自分(つまり密教)にあるんだよ。と、同時期に自分の宗教の要点を朝廷に提出する他の教え(特に天台宗)に比しての自分の優位を訴えたかったように見えます(笑)。

「生まれ生まれ……」ですが、詩においても天才肌な空海サンは、王朝の和歌が単語や文に複数の意味を含ませるように、意味を二重映しにしなかったかな? と思ったんです。
  • posted by 長谷川彰子 
  • URL 
  • 2006.11/06 18:51分 
  • [Edit]

 

付けたしですが、先を行く者の教えのない者は老いと死を恐怖します。
が、空海サンは、
「人間は死んだら出たところに戻るだけなんだよ。
だから、本来、死は怖くないんだ」
と言いたかったかもしれません。
  • posted by 長谷川彰子 
  • URL 
  • 2006.11/06 19:21分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

*Trackback

トラックバックURL
http://ashera.blog105.fc2.com/tb.php/96-c6da6a9e

右サイドメニュー

BlogPet

ブログ内検索

ぶろぐにゃんこ

マウスでクリックしたり、ドラッグして顎の下を撫でて上げて下さい。ごろごろ鳴きますvv。

クリック募金

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。